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イントロダクション
若い頃はガソリン代なんて気にせず、ただ風を切って走るのが楽しかったですよね。しかし、50代となった今、再び跨るハーレーは、もっと賢く、そして長く付き合っていきたい相棒です。この記事では、気になるハーレーの燃費を徹底解剖し、あなたのバイクライフをより豊かにするための情報をお届けします。
1: ハーレーの燃費ランキングと選び方

1-1: 燃費が良いハーレーモデルのランキング


久しぶりにバイクの世界に戻ってくると、ハーレーのラインナップが様変わりしていて驚きますよね。特に最近のモデルは、我々が若かった頃の「ハーレー=燃費が悪い」というイメージを覆すほど進化しています。ここでは、現在のラインナップ(新車・中古含む)の中から、特に燃費性能に優れたモデルをランキング形式でご紹介します。あなたのバイク選びの参考になれば幸いです。
1位:X350 / X500
- 燃費目安:約25~30km/L
- 水冷DOHCパラレルツインエンジンを搭載した、新しい世代のハーレーです。小排気量で車重も軽いため、圧倒的な燃費性能を誇ります。街乗り中心で、気軽にハーレーの世界を楽しみたい方には最適な選択肢でしょう。(個人的見解です。)
2位:Nightster™ (ナイトスター)
- 燃費目安:約20~24km/L
- 新開発の水冷Vツインエンジン「Revolution® Max 975T」を搭載。伝統的なスポーツスターの魂を受け継ぎつつ、最新技術で高い燃費効率を実現しています。パワフルな走りと経済性を両立させたい方にぴったりです。
3位:Sportster® S (スポーツスターS)
- 燃費目安:約19~22km/L
- ナイトスターと同じく水冷の「Revolution® Max 1250T」エンジンを積んだハイパフォーマンスモデル。1250ccという大排気量ながら、最新のエンジン制御技術により、驚くほどの燃費性能を発揮します。
4位:Street Bob® 114 (ストリートボブ114)
- 燃費目安:約18~21km/L
- 空冷Vツインの「Milwaukee-Eight® 114」を搭載したソフテイルモデル。伝統的なハーレーらしさを感じさせつつ、エンジン自体の効率化が進んでおり、大排気量モデルの中では優れた燃費を誇ります。
5位:Iron 883™ (アイアン883) ※生産終了モデル
- 燃費目安:約20~25km/L
- 我々の世代にとって「スポーツスター」と言えばこの空冷エンジンを思い浮かべる方も多いでしょう。軽量な車体と883ccという扱いやすいエンジンで、非常に燃費が良いことで知られています。中古市場でも人気が高い一台です。
このように、ひとくちにハーレーと言ってもモデルによって燃費は大きく異なります。自分のライディングスタイルや憧れの形と、こうした経済的な側面を天秤にかけながら、最高の相棒を見つけるのが醍醐味ですね。
1-2: ハーレー1800ccの燃費
「ハーレーに乗るなら、やっぱり大排気量だろう!」そんな風に考える気持ち、痛いほどよく分かります。特に排気量が1868ccにもなる「Milwaukee-Eight® 114」エンジンなどは、その象徴的な存在ですよね。ソフテイルファミリーやツーリングファミリーの多くに搭載されているこのエンジン、「一体どれくらい走るんだ?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、1800ccクラスのハーレーの燃費は、おおむね 18km/L~21km/L の範囲に収まることが多いです。もちろん、これは乗り方や環境によって大きく変動します。例えば、信号の少ない郊外の道をゆったりとクルージングすれば22km/Lを超えることもありますし、逆に都心部の渋滞路ばかり走っていれば15km/L近くまで落ち込むこともあります。
我々が若かった頃に乗っていたバイクと比べると、「1800ccでリッター20km近く走るなんて!」と驚かれるかもしれません。これは紛れもなく技術の進歩の賜物です。最新のMilwaukee-Eight®エンジンは、電子制御燃料噴射(EFI)の精度が格段に向上しており、最適な量の燃料を最適なタイミングで供給することで、無駄な燃料消費を徹底的に抑えています。また、エンジン内部のフリクションロス(摩擦によるエネルギー損失)を低減する設計や、高速巡航時に回転数を低く保てる6速ミッションの採用も、燃費向上に大きく貢献しています。
ですから、「大きい排気量は燃費が悪いから維持が大変そうだ」と一概に決めつけてしまうのは、少しもったいないかもしれません。確かに絶対的な燃費では小排気量モデルに敵いませんが、このクラスのエンジンがもたらす圧倒的なトルク感、どこまでも走っていけそうな余裕のクルージング性能は、何物にも代えがたい魅力です。週末のツーリングがメインで、高速道路を多用するような使い方であれば、その満足度は非常に高いものになるでしょう。(個人的見解です。)
1-3: ハーレーの燃費を左右する要因
同じモデルのハーレーに乗っていても、「友人のバイクより自分のほうが燃費が悪い気がする…」と感じたことはありませんか?実は、ハーレーの燃費は、カタログスペックの数字以上に様々な要因で変動します。その主な要因を知っておくことで、ご自身のバイクの燃費を客観的に把握し、改善につなげることができます。
1. ライディングスタイル
- これが最も大きな要因と言っても過言ではありません。急発進、急加速、急ブレーキを繰り返すアグレッシブな運転は、燃費を著しく悪化させます。逆に、スロットル操作を穏やかに行い、エンジン回転数を低めに保ちながらスムーズに走行することで、燃費は大きく向上します。特にハーレーのVツインエンジンは、低回転から力強いトルクを発生させる特性があるので、その「おいしい」領域を使ってゆったり走るのが、気持ち良さと燃費を両立させるコツです。
2. 走行環境
- 市街地のストップ&ゴーが多い環境は、燃費にとって最も過酷です。一方で、一定の速度で走り続けられる高速道路や郊外の道では、燃費が最も良くなります。ツーリングに出かけると燃費が伸びるのはこのためですね。また、向かい風が強い日や、アップダウンの激しい山道なども、エンジンに負荷がかかるため燃費は悪化する傾向にあります。
3. メンテナンス状況
- バイクの状態も燃費に直結します。特に重要なのがタイヤの空気圧です。空気圧が低いと路面との抵抗が増え、燃費が悪化します。定期的なチェックを怠らないようにしましょう。また、エアクリーナーの汚れは吸入効率を下げ、スパークプラグの劣化は点火効率を悪くするため、どちらも燃費悪化の原因となります。日頃のメンテナンスがいかに大切かということですね。
4. カスタマイズ
- 見た目を重視するあまり、燃費に悪影響を与えてしまうケースもあります。例えば、燃調をせずに抜けの良いマフラーやエアクリーナーに交換すると、燃料の供給が不適切になり燃費が悪化することがあります。また、大型のウインドシールドやバッグ類は空気抵抗を増やし、燃費を悪化させる一因となります。
これらの要因を理解し、少し意識を変えるだけで、あなたのハーレーはもっと経済的な相棒になってくれるはずです。
2: ハーレーダビッドソンと燃費の基本

2-1: ハーレーの平均燃費とタンク容量
「このハーレー、満タンでどれくらい走れるの?」これは、バイク乗りなら誰もが気になる基本的な疑問ですよね。特に我々リターンライダー世代は、若い頃のように無計画に走り出すのではなく、航続距離を考えながらスマートにツーリングを楽しみたいものです。ここではハーレー全体の平均的な燃費と、代表的なモデルファミリーのタンク容量についてお話しします。
まず、ハーレーダビッドソン全体の平均燃費ですが、これは非常に幅広く、おおよそ15km/Lから25km/Lの間に収まるモデルがほとんどです。先ほどランキングでご紹介したXシリーズやスポーツスター系が20km/L台前半~後半、ソフテイルやツーリングファミリーといった大排気量モデルが20km/L前後、といったイメージです。ひと昔前のキャブレター仕様のハーレーと比べると、現在のインジェクションモデルは格段に燃費が向上していると言えますね。
次に、この燃費に大きく関わってくるのが燃料タンクの容量です。タンク容量が分かれば、「燃費 × タンク容量」で、おおよその航続可能距離が計算できます。
- スポーツスターファミリー(旧空冷モデル):約12.5L or 17L
- XL883N(アイアン)などは12.5Lのピーナッツタンクが主流。航続距離は250km前後が目安です。XL1200CX(ロードスター)など一部モデルは17Lタンクでした。
- ソフテイルファミリー:約13.2L or 18.9L
- ストリートボブやスタンダードは13.2L、ファットボーイやヘリテイジクラシックなどは18.9Lの大型タンクを備えます。大型タンクなら、航続距離は350km以上を見込める計算になり、長距離ツーリングでの安心感が違います。
- ツーリングファミリー:約22.7L
- ロードキングやストリートグライドなど、大陸横断を想定したモデル群は、22.7Lという大容量タンクが標準です。燃費が20km/Lだとしても、400km以上を無給油で走りきれる計算になり、給油の心配をせずに走り続けられるのは大きな魅力です。
このように、モデルのキャラクターによってタンク容量は大きく異なります。街乗りメインなら小ぶりなタンクでも問題ありませんが、週末に高速道路で遠出することが多いなら、航続距離の長い大容量タンクのモデルを選ぶと、ツーリングがより快適になりますよ。(個人的見解です。)
2-2: 燃料タイプによる燃費への影響
さて、ハーレーの燃料についてですが、これは非常に重要なポイントなので、ぜひ覚えておいてください。結論から言うと、ハーレーダビッドソンは「ハイオクガソリン」の使用が指定されています。
ガソリンスタンドに行くと「レギュラー」と「ハイオク」がありますよね。価格が安いので、ついついレギュラーを入れたくなる気持ちも分かりますが、ハーレーにレギュラーガソリンを入れるのは絶対に避けるべきです。これは燃費がどうこうという以前に、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があるからです。
ハイオクとレギュラーの違いは「オクタン価」という数値にあります。オクタン価が高いほど、ガソリンは燃えにくい(自己着火しにくい)性質を持ちます。ハーレーのような高圧縮比のエンジンは、シリンダー内で混合気が高温・高圧になるため、オクタン価の低いレギュラーガソリンだと、スパークプラグが点火する前に異常燃焼(ノッキング)を起こしやすくなります。このノッキングは、「カリカリ」「キンキン」といった異音を発生させるだけでなく、ピストンやシリンダーにダメージを与え、最悪の場合エンジンブローにつながる恐れもあるのです。
「じゃあ、ハイオクを入れると燃費が良くなるのか?」と聞かれると、答えは少し複雑です。正確に言えば、「ハイオクを入れることで、エンジンが本来の性能を発揮し、結果として設計通りの燃費性能が維持される」というのが正しい理解です。レギュラーガソリンを入れてノッキングが起きると、エンジンはそれを検知して点火タイミングを遅らせるなどの制御を行いますが、これはエンジンの効率を低下させるため、結果的に燃費は悪化します。
つまり、ハーレーにおける燃料選びは「燃費を良くするため」というよりも、「エンジンを保護し、本来の性能を引き出すため」の必須事項なのです。公式のオーナーズマニュアルにも、推奨されるオクタン価が明記されています。例えば、日本のハーレーダビッドソン公式サイトでは、オクタン価91以上(日本のハイオクガソリンに相当)の使用を推奨しています。
引用:ハーレーダビッドソンジャパン FAQ「ハーレーダビッドソン社では、オクタン価91((R+M)/2)以上の無鉛ガソリンの使用を推奨しています。」
大切な愛車と長く付き合っていくためにも、燃料は必ずハイオクを選ぶようにしましょう。これは我々ライダーの、愛車に対する大切な約束事のようなものですね。
2-3: 高速走行時のハーレーの燃費性能
我々50代のリターンライダーにとって、バイクの楽しみ方のひとつは、やはり高速道路を使ったツーリングではないでしょうか。目的地まで一気にワープし、現地のワインディングを心ゆくまで楽しむ。そんな時、高速道路での燃費性能は気になるところですよね。
面白いことに、ハーレーダビッドソンというバイクは、市街地走行よりも高速走行時の方が燃費が良くなる傾向が非常に顕著です。特に、ソフテイルやツーリングといった大排気量モデルでその傾向は強く現れます。
その理由は、エンジンの特性と6速ミッションにあります。ハーレーの空冷Vツインエンジン(Milwaukee-Eightなど)は、低回転域から非常に力強いトルクを発生するように設計されています。そして、6速(トップギア)は巡航用のギアとして設定されており、時速100km程度で走行していても、エンジン回転数は2,000~2,500rpm程度に抑えられます。これはエンジンにとって非常に「楽」な状態で、スロットルを大きく開けなくても速度を維持できるため、燃料消費が少なく済むのです。
イメージとしては、自転車で坂道を登る時(市街地走行のストップ&ゴー)は息が切れるほど大変ですが、平坦な道を一定のペースで走り続ける時(高速巡航)は楽にペダルを漕ぎ続けられるのに似ています。
具体的な数値で言うと、市街地で16km/L程度の燃費のツーリングモデルが、高速道路を100km/hで巡航すると、22km/L~24km/Lといった数値を記録することも珍しくありません。これは驚異的な伸び率ですよね。つまり、ハーレーは「流して走る」のが最も得意で、最も気持ちよく、そして最も燃費にも優しい乗り物なのです。
この特性を理解していると、ツーリングの計画も立てやすくなります。「少し遠回りになっても、信号の少ないバイパスや高速道路を使った方が、結果的に気持ちよく走れてガソリン代もあまり変わらないかもしれない」といった判断ができるようになります。若い頃はがむしゃらに下道を走っていたかもしれませんが、大人の我々は、こうしたバイクの特性を理解し、賢くルートを選ぶことで、より上質で快適なバイクライフを送ることができるのです。(個人的見解です。)
3: ソフテイルとスポーツスターの燃費比較

3-1: ソフテイルの燃費と特徴
ハーレーの中でも、クラシックなリジッドフレーム風の外観と、現代的な乗り心地を両立させた「ソフテイルファミリー」は、我々世代にとって憧れの的ですよね。ファットボーイやヘリテイジクラシックなど、いつかは手に入れたいと思うモデルが揃っています。そんなソフテイファミリーの燃費と特徴について、少し掘り下げてみましょう。
現在のソフテイルファミリーに搭載されているのは、主に「Milwaukee-Eight® 107 (1746cc)」または「Milwaukee-Eight® 114 (1868cc)」という大排気量の空冷Vツインエンジンです。これだけ大きなエンジンを積んでいると、燃費が心配になるのも当然です。しかし、実際の燃費は、先述の通りおおむね18km/L~22km/Lの範囲に収まることが多く、これは驚くほど優秀な数値と言えます。
なぜ大排気量なのにこれほどの燃費を実現できるのか。それは、エンジン自体の効率が非常に高いからです。ツインプラグによる確実な燃焼、4バルブヘッドによる吸排気効率の向上、そしてカウンターバランサーによる振動の低減など、最新技術が惜しみなく投入されています。これにより、エンジンはスムーズに回転し、無駄なエネルギー消費を抑えながら力強いパワーを生み出すことができるのです。
ソフテイルファミリーの特徴は、何と言ってもその「オールラウンド性」にあります。街中をゆったり流すのも得意ですし、高速道路を使った長距離ツーリングも快適にこなします。特に、ファットボーイやブレイクアウトのようなモデルは、その存在感あるスタイルで所有する喜びを満たしてくれますし、ヘリテイジクラシックやスポーツグライドのようなモデルは、ウインドスクリーンやサドルバッグを装備し、ツーリングでの実用性も兼ね備えています。
燃費の面から見ると、車重が軽く、排気量が少し小さいMilwaukee-Eight® 107搭載モデル(ソフテイルスタンダードなど)の方が、114搭載モデルよりも若干燃費が良い傾向にあります。とはいえ、その差は僅かです。ソフテイルを選ぶ際は、燃費の微々たる差よりも、自分がどのスタイルに惹かれるか、どのような使い方をしたいかで選ぶのが、満足への近道だと思いますよ。(個人的見解です。)
3-2: スポーツスターXL883の燃費評価
「スポーツスター」と聞いて、我々世代の多くが思い浮かべるのは、あの空冷Vツインのエボリューションエンジンを積んだモデルではないでしょうか。特に、その中でも最もベーシックで、多くのライダーに愛されたのが「XL883」シリーズです。残念ながら2022年に生産終了となってしまいましたが、中古市場では今なお絶大な人気を誇ります。その魅力のひとつが、ずば抜けた燃費性能です。
XL883の燃費は、多くのユーザーレポートを見ると、平均して20km/L~25km/Lという非常に優れた数値を記録しています。中には、ツーリングで丁寧な運転を心がけた結果、30km/L近くまで伸びたという声も聞かれます。なぜこれほどまでに燃費が良いのでしょうか。
最大の理由は、その名の通り「883cc」という、ハーレーの中では比較的小さな排気量のエンジンと、軽量でコンパクトな車体の組み合わせにあります。車重が軽いということは、走り出すためにも、速度を維持するためにも、必要なエネルギーが少なくて済むということです。ソフテイルファミリーが280kg~330kg程度の車重であるのに対し、XL883シリーズ(アイアン883など)は250kg台と、数十キロも軽いのです。この差が、燃費に大きく影響しています。
また、エボリューションエンジン自体が、長年にわたって熟成された信頼性の高いエンジンであり、シンプルな構造ゆえにフリクションロスが少なく、効率が良いという側面もあります。
XL883は、その軽快なハンドリングと扱いやすいパワーで、街乗りからワインディングまでキビキビと走るのが得意なバイクです。一方で、高速道路を長時間巡航するのは、大排気量モデルに比べると少し苦手かもしれません。しかし、その経済性の高さは、日常の足として、あるいは週末の気軽なツーリングの相棒として、これ以上ないほどの魅力を放っています。中古でリターンを考えている方にとって、初期投資を抑えられ、かつ維持費も経済的なXL883は、非常に賢明な選択肢の一つと言えるでしょう。まさに「ハーレー入門の最適解」とも言える一台ですね。(個人的見解です。)
3-3: SPORTSTERユーザーの燃費レビュー
理屈やスペックも大切ですが、やはり一番参考になるのは、実際に乗っているオーナーの「生の声」ですよね。特に、長年多くのライダーに愛されてきたスポーツスターファミリーは、SNSなどにも多くの燃費に関する投稿が見られます。ここでは、X(旧Twitter)やInstagramで見られるような、ユーザーのリアルな声を集めてみました。
X(旧Twitter)の投稿風レビュー①
「週末、883で奥多摩までツーリング!往復200km走って、燃費計ったらリッター26kmだった!相変わらず優秀な相棒だ。下道トコトコ走るのが一番燃費に良いみたい。#ハーレー #スポーツスター #XL883N #燃費」
X(旧Twitter)の投稿風レビュー②
「フォーティーエイト(XL1200X)の燃費、街乗りメインだと18km/Lくらいかな。でも高速乗ると22km/Lは超える。タンク小さいから給油回数は多いけど、このスタイルだから許せる(笑) #XL1200X #燃費記録」
Instagramの投稿風レビュー
「新しい相棒、ナイトスターで初ツーリング!Revolution Maxエンジン、噂には聞いてたけどすごい。スムーズに回るし、何より燃費が良いのに驚き。150kmくらい走ったけど、まだ燃料計の針は半分以上。これならロングも怖くないな。#HarleyDavidson #Nightster #RevolutionMax #リターンライダー」
これらのレビューから見えてくるのは、やはり旧来の空冷スポーツスター(特に883cc)の燃費の良さと、最新の水冷スポーツスター(ナイトスターなど)の技術的な進化です。
空冷883のユーザーは、その経済性を高く評価しており、丁寧な運転で驚くほどの低燃費を実現していることが分かります。一方で、同じ空冷でも1200ccモデル(フォーティーエイトなど)になると、パワフルな分、燃費は少し落ちるものの、高速巡航では良好な数値を記録するようです。タンク容量の小ささが弱点として挙げられることもありますが、それも「スタイルのため」と納得しているユーザーが多いのが面白いところですね。
そして、最新のナイトスターやスポーツスターSのユーザーは、伝統的なハーレーのイメージを覆すエンジンのスムーズさと、パワフルでありながら高い燃費性能を両立している点に感心している様子がうかがえます。
こうしたリアルな声は、カタログスペックだけでは分からない、そのバイクが持つ「生活感」を伝えてくれます。自分がどんな風にバイクと付き合っていきたいかを想像しながら、これらのレビューを参考にしてみるのも、バイク選びの楽しいプロセスの一つですね。
4: ハーレー中古車購入時の燃費の考え方

4-1: 燃費が悪い中古車の査定ポイント
リターンライダーの我々にとって、中古車は非常に魅力的な選択肢です。しかし、個人売買や信頼性の低い販売店で購入する場合、見た目は綺麗でも、実は「燃費が極端に悪いハズレ個体」を引いてしまうリスクもゼロではありません。ここでは、中古車をチェックする際に、燃費性能に影響を与えそうなポイントをいくつかご紹介します。
1. エンジンからの異音・白煙・黒煙
- エンジンをかけた際に、「カチカチ」「ガラガラ」といった明らかな異音がないか確認しましょう。また、マフラーから白煙(オイル下がりの可能性)や黒煙(燃料が濃すぎる可能性)が出ていないかも重要なチェックポイントです。黒煙がひどい場合、燃調が狂っており、燃費が著しく悪い状態であると考えられます。
2. 不適切なカスタム
- 特に吸排気系のカスタムには注意が必要です。エアクリーナーとマフラーが社外品に交換されている場合、それに合わせてインジェクションチューニング(燃調)が適切に行われているかが鍵となります。もし燃調が不適切なままだと、「アフターファイヤー(減速時にパンパン音がする現象)」が頻発したり、燃費が極端に悪化したりします。前のオーナーがどんな意図でカスタムしたのか、可能であれば販売店に確認したいところです。
3. アイドリングの安定性
- エンジンが温まった状態で、アイドリング回転数が不安定だったり、ストール(エンスト)しやすかったりする場合、燃料供給系や点火系に何らかのトラブルを抱えている可能性があります。これも燃費悪化の直接的な原因となり得ます。
4. タイヤやチェーン(ベルト)の状態
- 見落としがちですが、駆動系のメンテナンス状況も燃費に影響します。タイヤの空気圧が極端に低い、チェーンがサビていたり伸びきっている(ハーレーはベルトドライブが多いですが)、ホイールの回転が渋いといった状態は、すべて走行抵抗の増加につながり、燃費を悪化させます。
これらのポイントは、燃費だけでなく、そのバイクがこれまでどのように扱われてきたかを知る上での重要な手がかりにもなります。信頼できるハーレー専門の中古車販売店では、こうした点をしっかり整備した上で販売している場合がほとんどです。購入を検討する際は、車両の状態を丁寧に説明してくれる、信頼のおけるお店を選ぶことが何よりも大切ですね。
4-2: 中古ハーレーの燃費と総合的な維持費
中古のハーレーを選ぶ際、ついつい目先の車両価格と燃費の良し悪しだけに目が行きがちです。しかし、我々大人のライダーは、もっと広い視野で「総合的な維持費」を考える必要があります。燃費が良いからという理由だけで古いモデルに飛びつくと、かえって高くついてしまうケースもあるのです。
総合的な維持費は、大きく分けて以下の要素で構成されます。
- 燃料費: これが「燃費」に直結する部分です。年間走行距離が長い人ほど、燃費の良いバイクの恩恵は大きくなります。
- 税金・保険料: 自動車重量税、軽自動車税、自賠責保険、そして任意保険です。これらは排気量や年式によって変動しますが、大きな差は出にくい部分です。
- 消耗品費: エンジンオイル、オイルフィルター、タイヤ、ブレーキパッド、バッテリーなど。特にタイヤは高価なので、交換時期が近い中古車は、その分の費用を考慮しておく必要があります。
- メンテナンス・修理費: これが年式の古い中古車で最も注意すべき点です。例えば、「燃費は良いけど、毎年のようにどこか壊れて修理代がかさむエボリューションエンジン搭載車」と、「燃費はそこそこだけど、故障知らずでオイル交換だけで済む現行ミルウォーキーエイト搭載車」とでは、年間のトータルコストは後者の方が安くなる可能性も十分にあります。
ここで重要なのは、「燃費の良さ」と「信頼性・メンテナンスコスト」のバランスを考えることです。(個人的見解です。) 例えば、ある程度自分でメンテナンスができる知識と技術があり、古いバイクの「味」を楽しめる方であれば、少々燃費が悪くても、構造がシンプルな旧モデル(ショベルヘッドやエボリューション)を選ぶのも一興でしょう。
しかし、「週末に安心してツーリングを楽しみたい」「面倒なトラブルは避けたい」と考える我々のようなリターンライダーにとっては、多少車両価格が高くても、高年式のインジェクションモデル(ツインカム後期やミルウォーキーエイト)を選ぶ方が、結果的にストレスなく、かつ経済的にハーレーライフを楽しめることが多いのです。
燃費という一点だけでなく、購入後の数年間を見据えて、トータルでいくらかかるのかを想像してみる。それが、賢い中古ハーレー選びのコツと言えるでしょう。
4-3: モデル別中古車の燃費性能
中古ハーレー市場には、様々な年代の、様々なエンジンを搭載したモデルが流通しています。ここでは、代表的なエンジン世代別に、その燃費性能の目安と特徴を解説します。リターンライダーの我々が再び跨るなら、どのあたりの年代が自分に合っているか、考える参考にしてください。
1. エボリューションエンジン(1984~1999年)
- 搭載モデル例: 80年代後半~90年代のスポーツスター、ソフテイル、ダイナなど
- 燃費目安: 18~25km/L(モデルによる)
- 「エボ」の愛称で親しまれ、信頼性を大きく向上させた名機です。構造が比較的シンプルで、キャブレター仕様が主流のため、セッティング次第で燃費は変動します。特にスポーツスター883の燃費の良さは際立っています。トラブルが少なく、中古市場でも人気が高いですが、良質な個体は価格が高騰気味です。(情報が古い場合があります。)
2. ツインカムエンジン(1999~2017年)
- 搭載モデル例: 2000年代以降のダイナ、ソフテイル、ツーリングファミリー
- 燃費目安: 15~22km/L
- 排気量が88(1450cc)、96(1584cc)、103(1689cc)と拡大していったエンジンです。初期はキャブ車も存在しましたが、2007年頃から全モデルがインジェクション化され、燃費と信頼性が安定しました。特に高年式のツインカム96や103は、中古車市場での流通量も多く、パワーと燃費のバランスが取れた狙い目の世代と言えます。ただし、一部モデルには特有の弱点(カムチェーンテンショナー問題など)もあるため、購入時は整備履歴の確認が重要です。
3. ミルウォーキーエイトエンジン(2017年~現在)
- 搭載モデル例: 2017年以降のツーリング、2018年以降のソフテイルファミリー
- 燃費目安: 18~23km/L
- 現行の主力エンジン。大排気量化(107ci, 114ci, 117ci)しつつも、4バルブ化やオイルクーラーの標準装備などにより、熱効率と燃焼効率を大幅に改善。歴代のビッグツインの中で最も燃費性能に優れています。まだ高年式なので中古車価格は高めですが、故障のリスクが少なく、安心して長距離を走りたいライダーにとっては最高の選択肢です。(個人的見解です。)
このように、年代を遡るほど「味」や「鼓動感」は増しますが、燃費性能や信頼性は新しいモデルに軍配が上がります。どちらを重視するかは、まさにライダーの価値観次第。じっくりと悩み、自分だけの最高の相棒を見つけ出してください。
5: ハーレーの燃費向上のためのチューニングとメンテナンス

5-1: 燃費向上に役立つチューニング方法
愛車のハーレー、どうせなら少しでも燃費良く走らせたいですよね。ここでは、燃費向上を目的とした「チューニング」についてお話しします。ただし、ここで言うチューニングとは、闇雲にパワーを求めるものではなく、あくまで「エンジンの燃焼効率を最適化する」という考え方です。
最も効果的なチューニングは、「インジェクションチューニング(燃調)」です。 現代のハーレーは、電子制御燃料噴射(EFI)によってガソリンの量をコントロールしています。インジェクションチューニングとは、このEFIの司令塔であるECM(エンジンコントロールモジュール)のデータマップを書き換え、エンジンが求める最適な空燃比(空気と燃料の比率)を実現させる作業です。
特に、マフラーやエアクリーナーを社外品に交換した場合、このチューニングは必須と言えます。なぜなら、吸排気の効率が変わったのに、燃料の噴射量がノーマルのままだと、空燃比が薄くなったり濃くなったりして、ギクシャクした乗り味になったり、燃費が悪化したりするからです。
プロのショップでしっかりとインジェクションチューニングを行うと、
- 全回転域でスムーズなスロットルレスポンス
- アイドリングの安定
- ギクシャク感やアフターファイヤーの減少
- 結果としての燃費向上 といった多くのメリットが得られます。よく「チューニングはパワーアップのため」と思われがちですが、本来は「そのバイクが持つポテンシャルを最大限に引き出し、気持ちよく走るため」のものです。その結果として、無駄な燃料消費が抑えられ、燃費がリッターあたり1~2km向上することも珍しくありません。
ただし、注意点もあります。チューニングには専門的な知識と高価な機材が必要です。信頼できるハーレー専門のショップに相談し、「パワー志向」なのか「乗りやすさと燃費志向」なのか、自分の希望をしっかり伝えて作業を依頼することが重要です。自分で安易に手を出せる領域ではないので、そこはプロを頼るのが賢明な大人の判断と言えるでしょう。
信頼できる情報源の例: スクリーミンイーグルなど、ハーレーダビッドソン純正のパフォーマンスパーツに関する情報は、正規ディーラーや公式サイトで確認できます。ハーレーダビッドソンジャパン パーツ&アクセサリー
5-2: 定期メンテナンスでの燃費改善ポイント
高価なチューニングに手を出さなくても、日頃の基本的なメンテナンスをしっかり行うだけで、ハーレーの燃費は驚くほど改善されます。これは、我々ライダーがすぐにでも実践できる、最も確実でコストパフォーマンスの高い燃費向上策です。いくつか重要なポイントを見ていきましょう。
1. タイヤの空気圧管理
- これは燃費改善の「王様」と言っても過言ではありません。タイヤの空気圧が指定値より低いと、路面との接地面積が増えて転がり抵抗が大きくなり、燃費を著しく悪化させます。月に一度はエアゲージでチェックし、指定空気圧を保つ習慣をつけましょう。指定空気圧は、車体のフレームやスイングアームに貼られたラベル、またはオーナーズマニュアルに記載されています。ガソリンスタンドで給油するついでにチェックするだけでも十分です。
2. エアクリーナーの清掃・交換
- エアクリーナーは、エンジンが吸い込む空気を綺麗にするフィルターです。ここがホコリやゴミで目詰まりすると、人間がマスクをしたまま全力疾走するのと同じで、エンジンは十分な空気を吸えなくなり、不完全燃焼を起こして燃費が悪化します。定期的に清掃(湿式の場合)または交換(乾式の場合)しましょう。
3. スパークプラグの点検・交換
- スパークプラグは、混合気に火花を飛ばす重要な部品です。先端が汚れたり消耗したりすると、強い火花が飛ばなくなり、点火効率が低下。これも不完全燃焼と燃費悪化につながります。メーカー推奨の交換時期(一般的に8,000km~16,000km)を守るだけでなく、たまに取り外して焼け具合をチェックするのも良いでしょう。
4. エンジンオイルの定期交換
- エンジンオイルは、潤滑だけでなく、冷却や清浄の役割も担っています。劣化したオイルを使い続けると、エンジン内部の摩擦抵抗が増え、これもまた燃費悪化の一因となります。推奨される交換サイクルを守り、適切な粘度のオイルを選ぶことが大切です。
これらのメンテナンスは、どれも基本的なことばかりです。しかし、この基本を疎かにすると、愛車のコンディションは確実に低下し、燃費も悪化していきます。大切な相棒と長く付き合うためにも、愛情を込めて、定期的なケアを心がけたいものですね。
5-3: 無料でできる燃費向上策
「お金をかけずに燃費を良くしたい!」そう思うのは、誰しも同じです。実は、日々のちょっとした心がけや運転の工夫で、燃費は大きく改善することができます。高価なパーツや専門的な知識は一切不要。今日からすぐに実践できる、無料でできる燃費向上策をご紹介します。
1. 「急」のつく操作を避ける
- 燃費を悪化させる最大の原因は「急発進」「急加速」「急ブレーキ」です。特に、信号が青に変わった瞬間にスロットルをガバっと開けるような運転は、最もガソリンを無駄遣いします。ハーレーのVツインエンジンの心地よい鼓動を感じながら、ふんわりと発進し、じわっと加速することを意識しましょう。前方の信号が赤なら、早めにスロットルを戻してエンジンブレーキを活用し、緩やかに停止する。これだけで燃費は劇的に変わります。
2. スムーズなスロットルワーク
- 走行中も、スロットルの開け閉めを頻繁に繰り返すのではなく、一定の開度を保ってスムーズに走ることを心がけましょう。特に高速道路では、前走車との車間距離を十分に取ることで、無駄な加減速を減らすことができます。クルーズコントロール機能が付いているモデルなら、積極的に活用するのも良い方法です。
3. 不要な荷物は降ろす
- バイクは車重が軽いほど、燃費が良くなります。ツーリングの時以外は、重い工具や不要な荷物をサドルバッグに入れっぱなしにせず、降ろしておきましょう。ほんの数キロの違いでも、積み重なれば燃費に影響してきます。
4. 適切なギアの選択
- 低いギアでエンジンを引っ張り続ける(高回転を維持する)運転は、燃費に良くありません。エンジンのトルクを活かし、早め早めにシフトアップして、できるだけエンジン回転数を低く保って走るのがコツです。ハーレーのエンジンは低回転でも粘り強いので、ノッキングしない範囲で高いギアを使うことを意識してみましょう。
5. ルートの計画
- 出かける前に、渋滞の多い道や信号の多い市街地を避け、比較的スムーズに流れるルートを計画するのも立派な燃費向上策です。
これらの工夫は、燃費を良くするだけでなく、バイクにも優しく、何より安全で紳士的な運転につながります。我々大人のライダーだからこそ、こうしたスマートな走り方を実践したいものですね。(個人的見解です。)
6: ハーレーの燃費とガソリン選び

6-1: ガソリンの種類と燃費の関係
先ほど「ハーレーにはハイオクが必須」というお話をしましたが、ここではもう少し踏み込んで、ガソリンの種類と燃費の関係性について考えてみましょう。ガソリンスタンドに行くと、「ハイオク」と一括りにされていますが、実は石油会社によって含まれている添加剤などが微妙に異なります。では、ブランドによって燃費は変わるのでしょうか?
結論から言うと、「体感できるほどの燃明らかな差は、ほとんどない」というのが一般的な見解です。 日本の法律(JIS規格)で、ハイオクガソリンはオクタン価が96以上、レギュラーガソリンは89以上と定められています。国内で販売されているハイオクガソリンは、どのブランドであってもこの基準をクリアしており、基本的な性能に大きな違いはありません。
ただし、各社はブランドの差別化のために、独自の「清浄剤」を添加しています。この清浄剤は、エンジン内部(インジェクター、吸気バルブ、燃焼室など)に溜まったカーボンデポジットを除去する効果を謳っています。
参考情報: ENEOSのウェブサイトでは、「エンジン内部をクリーンに保ち、エンジン本来の性能を発揮させます」と、清浄剤の効果について説明されています。 引用:ENEOS ハイオクガソリン
理論上は、エンジン内部がクリーンに保たれることで、最適な燃焼状態が維持され、長期的に見れば燃費の悪化を防ぐ効果が期待できる、と言えるかもしれません。しかし、A社のハイオクからB社のハイオクに変えた途端に燃費がリッター2kmも良くなった、というような劇的な変化はまず起こり得ません。
ですから、我々ライダーとしては、「〇〇のガソリンが一番燃費が良い」と神経質にブランドを追い求めるよりも、「必ずハイオクを入れる」という大原則を守ることの方が、はるかに重要です。いつも利用するガソリンスタンドや、ツーリング先で見つけたスタンドで、安心してハイオクを給油してください。それが愛車にとって一番良い選択です。
6-2: ハイオクの使用効果と燃費改善
「ハーレーにハイオク」は鉄則ですが、その効果をもう少し深く理解しておくと、給油のたびに「愛車に良いことをしている」という満足感が得られるかもしれません。ハイオクガソリンがもたらす効果と、それがどのように燃費改善(というより燃費の維持)につながるのかを整理してみましょう。
1. ノッキングの防止(最重要)
- これがハイオクガソリンの最大の役割です。先述の通り、ハーレーのような高圧縮比エンジンでレギュラーガソリンを使用すると、異常燃焼である「ノッキング」が発生しやすくなります。ノッキングはエンジンに深刻なダメージを与えるだけでなく、ECU(コンピュータ)がそれを検知すると、エンジンを保護するために点火タイミングを遅らせるなどの制御を行います。この制御は、エンジンの燃焼効率を低下させるため、結果としてパワーダウンと燃費悪化を招きます。ハイオクを使うことで、エンジンは設計通りの最適な点火タイミングで燃焼でき、本来の性能と燃費を維持できるのです。
2. エンジン内部の清浄効果
- 各社が添加している清浄剤の効果です。走行を重ねると、エンジン内部にはどうしてもカーボン(燃えカス)が溜まってきます。これが吸気バルブやインジェクターノズルに付着すると、適切な混合気の生成を妨げ、燃焼効率を悪化させます。清浄剤入りのハイオクを使い続けることで、これらのカーボンの堆積を抑制・除去し、エンジンをクリーンな状態に保つ助けとなります。クリーンな状態が保たれれば、新車時に近い燃焼効率を長く維持でき、結果として燃費の悪化を防ぐことにつながります。
3. 加速性能やレスポンスの維持
- エンジンがクリーンな状態で、かつノッキングの心配なく最適な燃焼を行えるということは、スロットルを開けた時のレスポンスが良くなり、スムーズで力強い加速が得られるということです。これもまた、エンジンが本来の性能を発揮している証拠です。
要するに、ハイオクの使用は燃費を「魔法のように良くする」ものではなく、「エンジンのコンディションを良好に保ち、性能の低下を防ぐことで、結果的に燃費の悪化も防ぐ」という、守りの効果が大きいのです。愛車への投資と考え、必ずハイオクを選んであげましょう。
6-3: 給油頻度とタンク容量の最適化
「ツーリング中に、仲間はまだ余裕なのに自分だけ給油…」なんて経験、少し気まずいものですよね。給油の頻度は、バイクのタンク容量と燃費によって決まります。ここでは、自分のライディングスタイルに合わせて、給油という行為をどう捉え、最適化していくかについて考えてみましょう。
まず、ご自身の愛車の「現実的な航続距離」を把握することが第一歩です。 例えば、タンク容量が13.2Lのストリートボブで、平均燃費が20km/Lだとすると、航続距離は単純計算で264kmです。しかし、ガス欠ぎりぎりまで走るのは精神衛生上よくありませんよね。燃料警告灯が点灯するのは、残量がおおむね3L前後になった時点です。つまり、実質的に安心して走れるのは、タンク容量から3Lを引いた約10L分、つまり200km程度ということになります。この「200km走ったら次の給油ポイントを探し始める」という自分なりの基準を持っておくことが大切です。
次に、この航続距離と自分の使い方を照らし合わせます。
- 街乗り・近距離ツーリングがメインの場合
- スポーツスターの12.5Lタンク(航続距離200km前後)でも、全く問題ありません。むしろ、小ぶりなタンクは車体の軽快感につながり、メリットとも言えます。給油頻度は増えますが、それもバイクとの対話の一環と楽しむくらいの余裕を持ちたいものです。
- 高速道路を使った長距離ツーリングがメインの場合
- やはり、ソフテイル(18.9L)やツーリングファミリー(22.7L)の大容量タンクが圧倒的に有利です。航続距離が350km~400km以上にもなると、高速道路のサービスエリアを2つ、3つ飛ばしても余裕があり、休憩や給油のタイミングを自分で自由にコントロールできます。これは長距離を走る上での、大きなストレス軽減につながります。
もし、今乗っているバイクのタンク容量に不満がある場合、社外品の大型タンクに交換するという選択肢もありますが、バイク全体のスタイルが大きく変わってしまうため、あまり現実的ではありません。
それよりも、「自分のバイクの航続距離はこれくらい」と割り切り、ツーリング前にはルート上のガソリンスタンドを軽く調べておく、といった工夫をする方がスマートです。最近はスマートフォンのマップアプリで簡単に検索できますからね。自分の愛車の個性を理解し、それに合わせた走り方を計画する。それもまた、ベテランライダーの嗜みと言えるのではないでしょうか。(個人的見解です。)
7: ハーレー燃費の記録と分析

7-1: 燃費記録の重要性と方法
「燃費を記録するなんて、なんだか面倒くさそう…」そう思われるかもしれません。しかし、燃費を記録し続けることには、我々ライダーにとって多くのメリットがあるのです。
燃費を記録する重要性とは?
- 愛車の健康状態のバロメーターになる
- これが最大のメリットです。いつもと同じように走っているのに、急に燃費がリッター2~3kmも悪くなった場合、それは愛車からの「何らかの不調のサイン」かもしれません。タイヤの空気圧低下、エアクリーナーの詰まり、点火系の不具合など、トラブルの早期発見につながります。燃費記録は、愛車の健康診断のようなものなのです。
- 自分の運転のクセがわかる
- 「今月は燃費が良かったな。そういえば、ゆったり走ることを意識したからかも」「あのツーリングは燃費が悪かった。やっぱり山道で回しすぎたかな」というように、燃費の記録は自分のライディングを客観的に振り返るきっかけになります。
- 経済的な意識が高まる
- 具体的な数値を記録することで、ガソリン代が月々いくらかかっているのかを正確に把握できます。これにより、無駄遣いをなくし、その分を他のカスタムやツーリング費用に回す、といった賢いバイクライフを送れるようになります。
簡単な燃費記録の方法
では、どうやって記録すれば良いのでしょうか。方法はとても簡単です。
- 方法①:昔ながらのメモ帳方式
- ガソリンを満タンにする。
- その際、トリップメーターを「0」にリセットする。
- 次に給油する際、満タンにし、「入ったガソリンの量(給油量)」と「トリップメーターの走行距離」をメモする。
- 「走行距離 ÷ 給油量」を計算すれば、燃費(km/L)が出ます。
- 方法②:スマートフォンのアプリを使う
- 今はこちらが主流でおすすめです。「Fuelly」や「e燃費」といった燃費管理アプリを使えば、給油量と走行距離を入力するだけで、自動で燃費を計算し、グラフ化までしてくれます。過去のデータとの比較も簡単で、非常に便利です。
どちらの方法でも構いません。大切なのは「続けること」です。給油のたびに記録する、という簡単な習慣が、あなたのハーレーライフをより深く、より豊かなものにしてくれるはずです。
7-2: 燃費データの分析でわかること
ただ漫然と燃費を記録しているだけでは、宝の持ち腐れです。集まったデータを少し分析してみることで、自分のバイクライフに関する様々な発見があります。難しく考える必要はありません。家計簿を眺めるような感覚で、自分の記録を振り返ってみましょう。
1. 「走行シーン」による燃費の違い
- 記録に「街乗り」「ツーリング」「高速道路」といった簡単なメモを添えておくだけで、分析の精度がぐっと上がります。
- 発見の例: 「やはり、高速道路だけを走った時の燃費はリッター23kmと非常に良い。しかし、通勤で都内を走るとリッター16kmまで落ちる。月々のガソリン代の半分は通勤で使っているんだな。」
- この発見から、「天気の良い日は、少し遠回りでも川沿いの空いた道を走って通勤してみようか」といった、新しい楽しみ方や工夫が生まれるかもしれません。
2. 「季節」による燃費の違い
- 意外に思われるかもしれませんが、燃費は季節によっても変動します。一般的に、気温が低い冬は燃費が悪化する傾向にあります。これは、エンジンが適温になるまでの暖機運転に時間がかかることや、空気の密度が高くなるため走行抵抗が増えること、タイヤが温まりにくく硬くなることなどが原因です。
- 発見の例: 「冬場の燃費が夏場に比べてリッターあたり1~2km悪いのは、故障ではなく季節要因だったんだな。安心した。」
- こうした知識があれば、冬場の燃費悪化に一喜一憂することなく、冷静に愛車の状態を判断できます。
3. 「メンテナンス」前後の燃費の違い
- タイヤの空気圧調整、エアクリーナー清掃、エンジンオイル交換といったメンテナンスを行った後、燃費がどう変化したかをチェックしてみましょう。
- 発見の例: 「エアクリーナーを清掃したら、次の給油での燃費がリッター1.5kmも改善した。こんなに効果があるとは!」
- メンテナンスの効果が具体的な数値として現れると、面倒だった作業も楽しくなり、愛車への愛情がさらに深まるはずです。(個人的見解です。)
このように、記録したデータは、あなたと愛車の対話の記録そのものです。ぜひ、あなただけの「ハーレー燃費日誌」から、新しい発見を楽しんでみてください。
7-3: ライディングスタイル改善による燃費アップ
燃費データを分析して自分の運転のクセが見えてきたら、次はいよいよ実践編です。ライディングスタイルを少し見直すだけで、燃費は確実に向上します。これは、バイクを労り、安全運転にもつながる、一石三鳥のテクニックです。
1. 「予測運転」を徹底する
- これは燃費改善の核心とも言える技術です。常に先の交通状況を予測し、無駄な加減速を徹底的に排除します。
- 具体例①: 前方の信号が赤に変わったのが見えたら、すぐにスロットルを全閉にします。惰性で走りながら、エンジンブレーキを使って緩やかに減速し、停止線でちょうど止まれるように調整します。ギリギリまで加速して急ブレーキ、というのは最悪のパターンです。
- 具体例②: 高速道路で前方の車が詰まっているのが見えたら、早めにスロットルを緩めて車間距離を調整します。車間距離があれば、前走車が多少速度を変えても、自分はスロットル操作だけで追従でき、ブレーキを踏む必要がなくなります。
2. エンジンの「おいしい所」を使う
- ハーレーのVツインエンジンは、一般的に2000~3000rpmあたりで最も効率よくトルクを発生します(これをトルクのピーク、つまり「おいしい所」と言います)。タコメーターが付いているモデルなら、この回転域を意識してキープするように走ると、燃費が良くなる傾向にあります。無駄に高回転まで引っ張らず、ポンポンと小気味よくシフトアップしていくのが、ハーレーらしい走り方でもあり、燃費にも優しいのです。
3. スロットルは「開ける」のではなく「ひねる」
- 言葉遊びのようですが、意識として非常に重要です。スロットルをガバっと一気に「開ける」のではなく、手首を使って滑らかに「ひねる」感覚です。特に発進時やコーナーの立ち上がりでこの意識を持つと、バイクの挙動が安定し、タイヤのグリップも有効に使え、結果として燃料の無駄遣いもなくなります。
これらのライディングスタイルは、一朝一夕に身につくものではないかもしれません。しかし、ツーリングのたびに少しずつ意識することで、必ずあなたの走りは洗練され、燃費計の数値も正直にそれに答えてくれるようになります。燃費向上をゲーム感覚で楽しむのも、大人のバイクの付き合い方として、なかなか乙なものですよ。
8: モデル別ハーレー燃費レビュー

8-1: ハーレーFLSTCの燃費とレビュー
我々世代にとって、「ハーレーらしいハーレーは?」と聞かれたら、この「FLSTC ヘリテイジソフテイル・クラシック」を思い浮かべる方は非常に多いのではないでしょうか。深いフェンダーに、大きなヘッドライト、革のサドルバッグ。まさに王道中の王道です。リターンするならこのモデル、と心に決めている方もいらっしゃるでしょう。
そんなFLSTCの燃費は、どのエンジンを搭載しているかによって少し異なります。
- ツインカム88/96エンジン搭載モデル(~2017年)
- 燃費目安:約17~21km/L
- この時代のFLSTCは、古き良きハーレーの雰囲気を色濃く残しています。特にツインカムエンジンは、あの独特の「三拍子」に近いアイドリング音を奏でることもあり、根強い人気があります。燃費は最新モデルには一歩譲りますが、ツーリングでゆったり走ればリッター20kmを超えることも十分可能です。ユーザーからは、「鼓動感を楽しみながら走れる最後の世代」「カスタムパーツが豊富で自分色に染めやすい」といった声が多く聞かれます。
- ミルウォーキーエイトエンジン搭載モデル(2018年~)
- 燃費目安:約18~23km/L
- エンジンが一新され、排気量もアップしましたが、燃費はむしろ向上しています。振動が少なく、非常にスムーズでパワフルになったのが特徴です。「どこまでも走っていけそうな快適性」「低速からトルクフルで非常に乗りやすい」と、長距離を走るライダーからの評価が特に高いです。クラシカルな見た目はそのままに、中身は最新鋭。安心して長く乗りたい方には、こちらの世代がおすすめです。(個人的見解です。)
FLSTCは、その豪華な装備ゆえに車重が330kg以上と重いため、燃費面では決して有利ではありません。しかし、それを補って余りある所有感と、ゆったりとしたクルージングの楽しさがあります。街乗りでキビキビ走るというよりは、休日に荷物を積んで、景色の良い郊外の道をのんびりと流す。そんな付き合い方が一番似合うバイクですね。燃費を少しでも良くしたいなら、やはり穏やかなスロットル操作が一番の秘訣です。
8-2: TCエンジン搭載モデルの燃費
21世紀に入ってからのハーレーダビッドソンの歴史を支えたと言っても過言ではないのが、「ツインカム(TC)」エンジンです。1999年に登場したTC88(1450cc)から始まり、TC96(1584cc)、TC103(1689cc)、そして一部の高性能モデルに搭載されたTC110(1801cc)まで、様々なバリエーションが存在しました。中古市場では、このTCエンジン搭載モデルが最も豊富なため、我々リターンライダーが選ぶ可能性も非常に高い世代です。
TCエンジン搭載モデル全体の燃費傾向としては、おおむね15km/L~22km/Lの範囲に収まります。もちろん、これはモデルの車重や排気量によって大きく左右されます。
- ダイナファミリー(ローライダー、スーパーグライドなど)
- 比較的軽量な車体にTCエンジンを積んだダイナは、走りの軽快さが魅力でした。燃費もTC搭載モデルの中では良好で、18~22km/Lあたりを期待できます。スポーティーな走りとビッグツインの鼓動感を両立したい方には、中古のダイナは面白い選択肢です。
- ソフテイルファミリー(ファットボーイ、FLSTCなど)
- ダイナよりは少し車重がありますが、それでも燃費は17~21km/Lと健闘しています。特に2007年以降のインジェクション化されたTC96エンジンは、信頼性も高く、バランスの取れた性能を持っています。
- ツーリングファミリー(ロードキング、エレクトラグライドなど)
- 最も車重が重く、大きなカウルなどを装備するため、燃費はTC搭載モデルの中では不利になりがちです。市街地では15km/L前後まで落ち込むこともありますが、高速道路を巡航すれば20km/L前後まで伸びます。まさに「旅」をするためのバイクと言えるでしょう。
TCエンジンを選ぶ際のポイントは、**「インジェクション(EFI)モデルを選ぶこと」**です。初期のTC88にはキャブレター仕様も存在しますが、始動性や安定性、燃費の面ではやはりインジェクションに軍配が上がります。特にこだわりがなければ、2007年以降のTC96以降のモデルを選ぶのが、トラブルも少なく安心してお付き合いできる賢明な選択だと思います。(情報が古い場合があります。)
8-3: X350/X500モデルの燃費評価
「これ、本当にハーレーなの?」我々が若かった頃のハーレーのイメージを知っていると、初めて「X350」や「X500」を見た時に、そう感じるかもしれません。伝統的な空冷Vツインではなく、水冷のパラレルツイン(並列2気筒)エンジンを搭載し、これまでのラインナップとは一線を画す、コンパクトでモダンなスタイルのモデルです。
これらのモデルは、主にアジア市場や若年層、そして我々のようなリターンライダーを含めた「新しいハーレーユーザー」をターゲットに開発されました。そして、その最大の魅力の一つが、圧倒的な燃費性能です。
- X350(353cc)/ X500(500cc)
- 燃費目安:約25~30km/L
この数値は、従来のハーレーのイメージを覆すものです。リッター30kmに迫る燃費は、国産の中型バイクと比較しても遜色のないレベルです。なぜこれほどの低燃費を実現できたのでしょうか。
理由はシンプルで、小排気量の高効率エンジンと、軽量な車体の組み合わせにあります。X350の車重は195kg、X500でも208kgと、ビッグツインモデルに比べて100kg以上も軽いのです。この軽さが、燃費はもちろん、取り回しの良さや軽快なハンドリングにも直結しています。
ユーザーからのレビューを見ても、「とにかく燃費が良いので、通勤や街乗りで気軽に使える」「維持費を気にせずハーレーブランドを楽しめるのが嬉しい」「小回りが利くので、日本の道に合っている」といった、その経済性と扱いやすさを評価する声が多数を占めています。
もちろん、「ハーレーらしいドコドコ感はない」「音が物足りない」といった、伝統的なVツインを愛するファンからの声があるのも事実です。しかし、価値観が多様化する現代において、「こういうハーレーの楽しみ方があっても良いじゃないか」と、我々も柔軟に受け入れたいところです。憧れのハーレーダビッドソンというブランドを、優れた経済性で手に入れ、日々の生活の足として気軽に乗る。そんな新しいバイクライフの扉を開けてくれるのが、Xシリーズと言えるでしょう。(個人的見解です。)
9: ハーレーユーザーが語る燃費と維持費

9-1: ユーザーが体験した燃費実態
カタログスペックや平均値も参考になりますが、やはり我々が知りたいのは「実際に乗ると、どのくらいなの?」というリアルな数字ですよね。ここでは、様々なモデルに乗るハーレーユーザーが実際に体験している燃費の実態を、SNSや掲示板の声をもとに集めてみました。
ツーリングモデル(ストリートグライド)乗りのAさん(50代) 「高速メインのツーリングだと、リッター20kmは軽く超えるね。仲間とインカムで話しながら80~100km/hで流してる時が一番燃費がいい。でも、週末に都内を走ると15km/Lくらいまで落ちるから、そのギャップに驚くよ。タンクが大きいから給油回数が少なくて楽だけどね。」
ソフテイル(ファットボーイ)乗りのBさん(40代) 「ミルウォーキーエイトの114に乗ってるけど、思ったより燃費いいよ。下道ツーリングで大体19km/L前後かな。あの太いタイヤだからもっと悪いかと思ってた。見た目の迫力と燃費のバランスが取れてて満足してる。」
旧スポーツスター(XL1200S)乗りのCさん(60代) 「俺のは古いキャブ車だから、夏と冬で燃費が全然違う。夏場は20km/Lくらい走るけど、冬はチョーク引いてる時間も長いし、16km/Lくらいかな。でも、自分でキャブを調整したりするのも楽しみの一つなんだよ。」
現行スポーツスター(ナイトスター)乗りのDさん(30代) 「通勤で使ってるけど、コンスタントに22km/Lは走る。たまに遠出すると25km/L近くまで伸びるし、本当にお財布に優しい。前の国産バイクと維持費が変わらない感覚でハーレーに乗れるのが最高。」
これらの声からわかるのは、やはり「乗り方」と「環境」が燃費を大きく左右するという事実です。同じツーリングモデルでも、高速巡航と市街地ではリッター5km以上の差が出ています。また、古いキャブレターモデルはセッティングや季節による変動が大きい一方で、それを楽しんでいるベテランもいます。そして最新の水冷モデルは、どんな状況でも安定して高い燃費性能を発揮していることがうかがえます。
自分の憧れのモデルが、自分の主な使い方(通勤、近場のツーリング、長距離高速ツーリングなど)において、どれくらいの燃費になりそうか。こうしたリアルな声を参考に、シミュレーションしてみるのも良いでしょう。
9-2: 年間維持費と燃費の関係
「ハーレーの維持費って、結局年間でいくらかかるの?」これは、リターンする上で最も気になる、そして家族を説得する上でも重要なテーマかもしれません。年間の維持費において、燃費、つまりガソリン代はどれくらいの割合を占めるのでしょうか。具体的なモデルケースで考えてみましょう。
年間走行距離:5,000km と仮定します。(週末のツーリングをメインに楽しむ、平均的なライダーの走行距離です) ガソリン価格は、ハイオク 180円/L で計算します。
- ケース①:燃費の良いモデル(例:ナイトスター 23km/L)
- 年間必要ガソリン量:5,000km ÷ 23km/L ≒ 217L
- 年間ガソリン代:217L × 180円/L = 39,060円
- ケース②:平均的なモデル(例:ソフテイル 19km/L)
- 年間必要ガソリン量:5,000km ÷ 19km/L ≒ 263L
- 年間ガソリン代:263L × 180円/L = 47,340円
- ケース③:燃費がやや悪いモデル(例:市街地メインのツーリングモデル 16km/L)
- 年間必要ガソリン量:5,000km ÷ 16km/L ≒ 313L
- 年間ガソリン代:313L × 180円/L = 56,340円
この3ケースを比較すると、最も燃費の良いモデルと悪いモデルとでは、年間で約17,000円の差が出ることがわかります。月々にすれば1,500円弱。この差を「大きい」と見るか、「許容範囲」と見るかは人それぞれでしょう。
しかし、忘れてはならないのが、ガソリン代以外の維持費です。
- 軽自動車税: 6,000円/年
- 自賠責保険: 約9,000円/2年(年換算4,500円)
- 任意保険: 年齢や等級によるが、数万円~
- オイル交換などのメンテナンス費用: 2~5万円/年
- タイヤ交換費用(数年に一度): 5~10万円
これらを合計すると、年間の維持費は、ガソリン代を除いても10万円以上かかることが分かります。こうして見ると、燃費の差による数万円は、維持費全体の中では一部分に過ぎない、という見方もできます。もちろん、少しでも安い方が良いのは間違いありませんが、「燃費が少し悪いから」という理由だけで憧れのモデルを諦めるのは、少しもったいないかもしれませんね。(個人的見解です。)
9-3: 高額モデルの燃費と維持費考察
ハーレーダビッドソンのラインナップの頂点に君臨するのが、「CVO™(カスタム・ビークル・オペレーションズ)」や、ウルトラリミテッドといった、車両価格が500万円を超えることもある高額モデルです。我々庶民からすれば、まさに夢のまた夢のような存在ですが、こうしたバイクの燃費や維持費はいったいどうなっているのでしょうか。
まず燃費ですが、これらのモデルは最新・最大のエンジン(Milwaukee-Eight® 117など)を搭載し、豪華な装備を満載しているため、車重は400kgを超えます。そのため、燃費性能はハーレーの中でも最も低い部類に入り、市街地では13~15km/L、高速巡航でも20km/Lに届けば良い方、というのが実情です。
しかし、ここで重要なのは、これらのモデルを購入する層は、燃費を第一に考えていないということです。彼らが求めるのは、最高の性能、最高の快適性、そして最高のステータスです。燃費の差で生じる年間数万円のガソリン代の差は、彼らにとってはおそらく問題にならない範囲なのです。
維持費の面でも、これら高額モデルは特別な配慮が必要です。
- タイヤ: 特殊なサイズのタイヤを使用していることが多く、交換費用も高額になりがちです。
- 保険料: 車両保険の料率は、車両価格に比例して高くなります。
- パーツ代: CVO専用の塗装やパーツは非常に高価で、万が一立ちゴケなどで傷つけてしまった場合の修理費用は、我々の想像を絶する金額になることもあります。
つまり、高額モデルを所有し、維持するということは、車両購入費だけでなく、その後のランニングコストもすべてにおいて「別格」であると覚悟する必要があるのです。
我々リターンライダーが現実的に考えるべきは、こうした夢のモデルに思いを馳せつつも、自分の予算やライフスタイルに合った、身の丈のモデルを選ぶことでしょう。スタンダードなソフテイルやツーリングモデルでも、ハーレーがもたらしてくれる「自由の風」の心地よさは何ら変わりません。無理なく、長く楽しむこと。それこそが、我々50代のライダーが目指すべき、豊かなバイクライフの姿ではないでしょうか。(個人的見解です。)
私の体験談

こんにちは。この記事を書いている私も、皆さんと同じ50代のリターンライダーです。20代の頃は中古のスポーツスターに乗り、週末になると当てもなく走り回っていました。結婚し、子供が生まれ、バイクはいつしか車庫の隅で眠る存在に。そして、子育ても一段落した40代後半、「もう一度、あの風を感じたい」という思いが日に日に強くなっていったのです。
再びバイクに乗るにあたり、一番悩んだのが「どのハーレーを選ぶか」でした。若い頃の憧れは、やはりファットボーイのような堂々としたソフテイル。しかし、体力的な不安や、これからの維持費を考えると、二の足を踏んでしまいました。そんな時、ディーラーで出会ったのが、ミルウォーキーエイトエンジンを積んだ「ストリートボブ」でした。
ソフテイルファミリーでありながら、余計な装飾を削ぎ落としたシンプルなスタイル。そして、何より跨った時の足つきの良さと、思った以上の軽さに驚きました。ディーラーの担当者から「今のハーレーは、大きい見た目でも驚くほど燃費も良いし、乗りやすいんですよ」と聞き、試乗させてもらうことに。
走り出してすぐに感じたのは、20代の頃に乗っていたエボリューションエンジンとは全く違う、スムーズで力強い加速感。そして、交差点を曲がる時の素直なハンドリング。「これなら、今の自分でも無理なく楽しめる!」と確信しました。
購入後、最初の給油で燃費を計算してみると、リッター21km。正直、大排気量のバイクなので15km/Lくらいを覚悟していたので、良い意味で裏切られました。今では、週末に片道150kmほどの日帰りツーリングに出かけるのが最高の楽しみです。燃費が良いので、ガソリン代をあまり気にせず、少し遠回りして景色の良い道を選んだり、気になったカフェに立ち寄ったりと、心に余裕が生まれました。
若い頃は「速さ」や「見た目の迫力」ばかりを追い求めていた気がします。でも、50代の今、バイクに求めるのは「心地よさ」と「長く付き合える安心感」。燃費という指標は、その「安心感」を支えてくれる、とても大切な要素なのだと実感しています。(個人的見解です。)
【50代リターンライダー必見】ハーレーダビッドソン燃費ランキング決定版!愛車の選び方から維持費まで徹底解説 まとめ
今回は、我々リターンライダーが気になる「ハーレーダビッドソンの燃費」というテーマを、様々な角度から掘り下げてきました。
長い記事になりましたので、最後に要点を振り返ってみましょう。
- 最近のハーレーは燃費が良い: 我々が若かった頃のイメージとは違い、現在のインジェクションモデル、特にミルウォーキーエイトエンジンや最新の水冷エンジンは、大排気量でありながら驚くほど優れた燃費性能を持っています。
- 燃費は乗り方と環境で大きく変わる: 最も燃費に影響を与えるのは、ライダー自身のスロットルワークです。急のつく操作を避け、スムーズな運転を心がけることが、燃費向上の一番の近道です。
- メンテナンスが基本: タイヤの空気圧チェックやオイル交換といった基本的なメンテナンスが、愛車のコンディションと燃費を良好に保つ秘訣です。
- 燃料は必ずハイオクを: 燃費のためというより、大切な愛車のエンジンを守るためのお守りです。
- 総合的な維持費で判断を: 燃費だけでなく、税金や保険、メンテナンス費用まで含めたトータルコストで、自分のライフスタイルに合った無理のないモデルを選ぶことが、長く楽しむための鍵となります。
50代からのバイクライフは、誰かと競うものではありません。自分のペースで、自分なりの楽しみ方を見つける、いわば「自分と向き合う時間」です。燃費という経済的な側面をしっかり理解することは、その豊かな時間を持つための、大切な準備の一つと言えるでしょう。
この記事が、あなたの素晴らしいリターンライダー生活の第一歩を、少しでも後押しできたなら、これほど嬉しいことはありません。さあ、最高の相棒を見つけて、再び風の中へ走り出しましょう!